森下の万能薬剤師の転職リポート

2022年09月19日

違う分野も身に着く資格があります

高齢化や在宅医療などの増進により医療は日々変化しています。ただ働くだけでなく専門性の高い薬剤師が求められているのが現状です。キャリアアップのための資格は色々ありますが、分野は薬だけにとどまりません。健康やスポーツなどあらゆる知識・技術を備えられる資格がいくつかあります。

健康をアドバイスするヘルスケアアドバイザー

国家資格だけでなく民間でも薬剤師向けの資格があります。日本チェーンドラッグストア協会が認定しているのがヘルスケアアドバイザーです。ヘルスケアとは健康を維持するための食・運動・生活環境を指します。これらの幅広い知識を身に着け、スペシャリストとしてアドバイスや情報提供を積極的に行うことが役目です。

薬の知識を生かした移動だけでなく、食事内容や生活環境などもプラスでアドバイスできるのです。学習して認定試験に合格すれば認定証の交付と認定登録が行われます。

認定機関は3年となり更新しないといけません。協会が指定する研修会に参加し、レポート課題の提出によりポイントが付与されます。更新には一定のポイントが必要です。忙しい現代人や高齢者は、セルフメディケーションは自主的に行うのが難しくなります。ヘルスケアアドバイザーが身近な場所にいることで、健康相談ができるよりどころとなるでしょう。薬以外のアドバイスをもらえることでより安心感が得られます。取得すれば様々な施設で活躍が期待できるでしょう。

患者さんの栄養面をサポートしていく

社団法人日本臨床栄養代謝学会が認定するのが栄養サポートチーム(NST)です。NSTは最近多くの病院で設置されている専門療法士となっています。栄養サポートチームでは栄養状態が良くない患者さんを対象としています。

患者さんの病態や性別・年齢によって栄養の管理計画を作って栄養をサポートしていきます。ただ与えるだけでなく、経腸投与や静脈投与など投与するルートについても考えます。計画はチーム全体で共有し最適な方法を常にアップデートしていくでしょう。

良質な栄養を摂取する事は治療のためにも大事な要素です。健康につながる食事を摂ることで患者さんも回復しやりがいを感じられるでしょう。病院内での様々な職種と連携しながら、患者さんの栄養管理に大きく貢献できます。チーム医療にかかわりたい方はぜひ取得したい資格と言えます。

アンチ・ドーピングのための活動も行っていきます

専門的な資格の一つに公認スポーツファーマシストがあります。これはスポーツで世界的に問題となっているドーピングなどの専門知識を持つ薬剤師です。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のカリキュラムを受けて専門試験に合格して取得します。

スポーツの世界では有利になるためのドーピング使用が後を絶ちません。アンチ・ドーピングのための知識を活用して指導者や競技者にアドバイスするのを目的としています。

「筋肉質な体」や「大会優勝」を目指して体に負担のかかる物を利用しようとする人もいます。そのため、学校などでもアンチ・ドーピングの啓発活動を行っています。また、ドーピングの種類は筋肉増強のステロイド剤だけではありません。実はドラッグストアなどで買える一般的な医薬品・栄養剤にも規制対象となる成分が含まれているのです。こうした事を知らずに使用する意図しないドーピングも問題となっています。クリーンにスポーツを行うためスポーツファーマシストはスポーツ競技者や指導者と積極的に関わっていきます。

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