森下の万能薬剤師の転職リポート

2022年01月14日

需要が高まっている現場と期待される役割について

医療サービスの充実や高齢者人口の増加などの影響を受け、薬剤師を必要とする事業所の数は各地で増加しています。病院や介護施設、調剤薬局など現場によって業務の幅や期待される役割は異なるため、就職に際して自分の適性やスキル、経験に見合った職場を選ぶ必要があります。

病院は院内の薬局から病棟まで活躍の場が多い

病床がある総合病院に勤める薬剤師は、院内の薬局から病棟まで様々な現場で必要とされており、新卒で入職をした人から十年を超えるキャリアがある人まで活躍できるチャンスがあります。たとえば、高齢の患者や急性期の患者が多く入院している病棟においては、患者の体調や病状の変化に応じて処方薬が変わったり、薬の副作用が出るリスクが高まったりするため、臨機応変に対応できる人材が重宝されています。

一方で、人口密集地にある総合病院の調剤薬局では、一日に多数の患者の薬を調剤しなければならず、スピーディーかつ丁寧に業務に取り組める人の確保が課題となっています。総合病院の薬局と病床とではスタッフの勤務体系だけでなく、担当する患者の年齢、病状も異なります。

そこで、就職試験を受ける前に院内見学をするなどして長く働けそうな場所を探すことが重要です。

介護現場では福祉の職種のスタッフと協力が必要

介護老人保健施設や特別養護老人ホームといった持病や障害があるものの、症状が落ち着いている高齢者が多い施設の中には、医療面のケアに力を入れるため、看護師の他に薬剤師を配置するところも珍しくありません。こうした現場では、病棟のように容態が急変するリスクは低いものの、薬の誤飲や飲み忘れなどを防止するため、服薬管理をしっかり行える人材が求められています。

また、介護施設では介護職員や生活相談員など福祉に関する職種のスタッフが多く配置されています。そうした中、介護事故などの問題を防ぐためにも、日頃から職種を超えて協力をしながら業務に臨むことが大切です。

地域にある民間の調剤薬局は経験豊かな人が有利

駅前や住宅街などにある小さな調剤薬局は、病院や介護施設と比べると訪れる患者の数が少ないものの、時間帯によっては一人で調剤や薬の説明といった一通りの対応をしなければなりません。調剤薬局に就職をするために必要となる経験年数は設置者によりますが、様々な現場で調剤を担当したことがある人や、責任者としてスタッフの管理や運営に携わったことがある人は就職時に有利になる傾向があります。

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