2023年01月23日
薬剤師は調剤をおこなう患者の権利を尊重しなければいけない仕事です。患者は医薬品の服用に関してもさまざまな権利を持っているので、こうした権利に配慮することが必要です。ここでは、こうした患者の権利に対する考え方について解説します。
薬剤師が患者の持つ権利を尊重するためにまず知っておかなければいけないことは、どのようなことが患者の権利に該当するのかということです。一人の人間はさまざまな権利を持っていますが、この職業の人が尊重する必要があるのは、医薬品や自分の体に関する患者の権利です。
治療の方法を自分で選ぶことも、患者が持っている重要な権利です。病気を治療するためにおこなうことができる薬を使った治療の方法が複数存在する場合もあるので、患者の持っているこうした権利が非常に重要になることがあります。
患者が自分の治療方法を決定する権利を尊重するためにすることができるのは、患者が自分に合った方法を決めやすいように、多くの情報を提供することです。患者が薬を使用した治療の方法を自分で決定したいと思っても、薬に関する十分な知識がなければ何を基準にして最適なものを選べば良いかわからなくなるので、情報を提供することは非常に重要です。
薬に関する多くの知識を得ることにより、患者は自分に合った最適な治療の方法を選びやすくなります。
患者が薬を使用した治療方法を選びやすくするために気をつけなければいけないことは、患者が理解しやすいように医薬品の情報提供することです。患者の自己決定権を尊重するために、医薬品のことを詳しく患者に提供したつもりでも、患者が十分に理解していない場合があります。
こうした事態が発生することがあるのは、薬の専門家と一般の人では、医薬品に関する知識に大きな差があるからです。医薬品に関する情報の中には薬に関する専門的な知識を多く持っている人でなければ理解しにくいものもあるので、患者にしっかりと理解してもらえるように工夫が必要です。
薬剤師がわかりやすく医薬品の情報を患者に提供するためには、患者の理解力に合わせて説明の方法を変えることも重要です。同じような情報を複数の患者に提供する場合でも、患者の理解力によって理解できる程度が変化するので、こうした方法が必要になります。
理解力がある患者ならば専門的な言葉を使っても理解してもらえることも多いですが、それ以外の患者にはその人の理解レベルに合わせた医薬品の説明が必要です。