森下の万能薬剤師の転職リポート

2021年02月12日

国全体の医療費抑制に役割分担の強まる薬剤師

男女共に世界でトップクラスの平均寿命に達しているとはいえ、健康寿命は平均寿命に対して10年前後も短い状態になっています。多くの高齢者が晩年、様々な病気を抱えたまま寝たきり状態で命永らえているわけですが、高齢者になるまでの生活習慣が大きく関わっているといわれています。

定期健診の励行で病気の重症化防止に尽力する自治体

高齢化が急速に進む中、高齢者が医療機関に罹って必要となる国の保険医療費負担増を抑制するため施策が矢継ぎ早に行われています。その一環で健康寿命をもっと伸ばすには中高年になる以前からの生活習慣を見直す必要性があるということで、定期健康診断の励行が叫ばれているわけです。

こうした考えを踏えて行政側が医療機関関係者などと連携して病気の早期発見と治療を行い、病気の重症化を抑え込もうと尽力しています。また同時に、様々な機会を捉えて健康セミナーが開催され、医師や看護師、あるいは保健師などが定期健診受診の励行を積極的に発言しています。

こうしたセミナーでは病気の重症化を減らす対策が専門家から繰り返し発言されています。

規則正しい生活で健康を維持した方が良い病気予防

しかしながら、それ以上に若い頃からのライフスタイルを見直す必要性があるとの意見があるということです。ひとり一人が病気にならない予防対策を実行することが最も重要だという意見でしょう。それには、規則正しい生活をベースとしてバランスの取れた食生活や適度な運動の継続など、誰でも知識として知っている健康生活を励行することでしょう。

また、健康生活を続けていても少々の体調不良などを時折り起こすことがあります。こうした際にすぐにドラッグストアなどへ出向いたり、ネット注文で医薬品や健康食品などに頼ろうとする考え方が風潮になっています。しかしながら、こうした素人判断で商品選びすることは長期にわたって健康維持を図るには好ましくないと医薬関係者がしばしば警告を発しています。

高齢者の増加する時代に役割分担の強まる薬局

普段から薬局などにお薬手帳を作ってあればこうした際にはかかりつけ薬剤師に判断を仰ぐことができるわけです。また、どんな健康人でも時折り薬局の世話になることもあるはずです。まだお薬手帳を作っていないなら作っておくことがお勧めだし、薬局でも積極的に顧客とのコミュニケーションを図る努力が必要だということでしょう。

薬局などもほぼ飽和状態に達していてこれからは業界内で薬局淘汰の始まる時代だと予想されています。お薬手帳作成を通じて顧客獲得が必要になっているといえます。今後、高齢者の顧客が増加していくわけですから薬の飲み合わせなど、服薬指導にも薬局の重要な役割分担が強まっていく時代です。

この点で、看護師と肩を並べるくらいまで薬剤師への社会の信頼感が広まっていくべき余地があるということになります。

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