森下の万能薬剤師の転職リポート

2020年04月09日

在宅医療の難しさと患者ファースト

高齢化社会に特化した医療システムとなっているのが在宅医療で、患者の自宅へ訪問することで見えてくることも多くあります。日常生活で欠かすことができない薬についても、病院や薬局という特殊な空間のやりとりだけでは分からない患者の悩みや話を聞くこともできます。

病院と在宅の違いを理解していくこと

在宅医療にはいい面もあれば改善しなくてはいけない面もありますので、これからの課題として取り組むことが必要です。まず在宅医療には医師や看護師の他にも介護に必要なヘルパーなど多くの職種の人が訪問することがあり、薬のスペシャリストでもある薬剤師もそのひとつとして位置づけられています。

病気をもっている人は病院であれば容態が急変してもナースコール設備があることで、すぐに適切な医療を受けることができますが、在宅医療にはそれがありません。

そのために家族などはすぐに医療行為を受けることができないという不安がありますし、どのような準備をしていいのかわからないことも多いです。こういった患者だけではなく家族の不安を解消することも医療従事者としての役割でありますが、特に容態が変わった場合には薬に頼ることも一つの方法として注目されています。

医療施設と違った患者の心理状態

薬を管理している薬剤師の役割では、患者とのコミュニケーションによって治療についてどのような不安があるのかを聞くこともあります。こういった話ができるようになるのは、病院などの医療施設ではなかなか話すことができないこともあり、患者も自宅という自由空間からつい本音を漏らすことも少なくありません。

また薬についてもどのような反応があったのかなど、実感として感じていることも主観的になって的確なことを言えるようになることもあります。こういったメリットがあるので薬の管理をするときにもどのようなタイプで、何をするとストレスがなく治療に専念できるのかを知ることができます。

治療をしている人にとって治療をすることは症状によっては、簡単なことではないのでどうしても自分のわがままを言ってしまいがちです。そういったポイントも理解をして薬ついての処方をすることや、治療に対する偏見をもっている人にはなくすように話すことも役割といえます。

元気なころの話を聞いて信頼を得る

より積極的にコミュニケーションをとる場合には、医療の話をするよりも普段の生活のことや過去の元気だったときの話をすることも効果的です。病気を抱えている在宅医療の患者では自分が元気だったころのイメージが救いだという人もいますので、元気なころにフィードバックをして話を聞いてあげることはできます。

そうすることで心が開いてくるので、普段は薬についても話を聞かない人でも素直に聞いてくれるようになりますし、心を開くことで信頼感が高くできます。

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