2019年09月24日
ここ15年余り前から国の医薬分業の徹底化方針に沿って医薬分業率が漸く50%を超えて年々高まってきました。病院や診療所等、医療機関の建物外部周辺や人通りの多い街中に薬局店舗が増え続けてきたわけです。店舗が増えるたびに求人市場で薬学部の学生が引っ張りだこになる状態が続いていましたが、コンビニの数を超えるほどに店舗が林立してほぼ飽和状態に達しました。
医薬分業を徹底化する国の方針に沿って医療機関の建物外部周辺や人通りの多い街中に個人経営の小規模な薬局店舗が急速に増えてきました。しかも、店舗数が飽和状態化するにつれて夫々の店舗が大きなグループ傘下に組み込まれて競合する業界と化してきました。
今後は店舗を新増設するよりは薬局グループ間でM&Aが進み、経営状態の良くない店舗が淘汰される時代に入ったという専門家もいます。こうした市場環境の変化が強まってきたので最近まで活発だった学生の求人状況には変化の兆しが表れています。
これからは薬学部の学生は雇用条件の良い店舗への転職を希望しても引く手あまただった一時期が既に通り過ぎたことの認識が必要でしょう。
但し、社会に今後も高齢者が増え続けていくのに合わせて病気持ちの人あるいは認知症等の患者やその予備軍も増えていくと見込まれています。このため、医療機関にかかる人も増えていきそうですから調剤業務が急減してしまうことはなさそうです。
この点で薬剤師の求人市場が飽和状態に近いとはいえ将来性が不透明になったと言うわけではないでしょう。但し、調剤業務の専門家が転職するには新たなスキルを持ち合わせる勉強や訓練をしておくことが必要だと考えられています。
例えば、調剤業務は医師の治療行為との関連性が強いので看護師資格を取ってダブルライセンスとなれば貴重な存在となり、医療機関で活躍する機会が増えるはずです。また今後、高齢患者や外国人患者の増加が見込まれているので様々な患者とのコミュニケーション能力が重要性を増していくと考えられています。
になっていくことになり、店舗における人材余剰感が出てくるようになりそうです。調剤業務の機械化が進んで来るとむしろ、ひとり一人の患者の悩みや相談事にしっかり寄り添える薬剤師が期待されるようになります。高齢の患者が増えてくると多くの薬を服用する必要のある高齢者が増えてくるので、通り一遍の服薬指導では上手くいかないケースが増えてくるからです。
AIやロボットの導入で代替できない領域こそ将来性ある業務と言えるはずです。