森下の万能薬剤師の転職リポート

2019年01月08日

人手不足の続いてきた薬局業界の近づく飽和状態

医薬分業が進められて、近年、特に総合病院の周辺には調剤薬局やドラッグストアの開業が極めて目立つようになりました。しかしながら、薬局の開業箇所がコンビニ数を上回るほど増えたため、薬局の飽和状態が近いと言われています。地域によっては既に大手薬局グループによる小規模薬局のM&Aが始まっています。

機械化やロボット化が始まる調剤や服薬管理業務

高齢化の進む時代ですから長らく人手不足が続き、求人募集の絶えなかった薬剤師にも過剰感が出てききました。今後はスキルを活かして薬品の開発等に関係する製薬業界へ就職するケースが増えてくると見られています。しかも、産業界全体で続いている人手不足対策として進められている省力化やロボット導入の動きが調剤や服薬管理業務にも及んでくることが予想されています。

いずれの業務も機械化やロボット化のしやすい範疇だからです。また、毎年、新たに誕生する9千人程度の国家試験合格者の主な働き口として続いてきた薬局の増加にブレーキがかかったこともこの資格所有者の過剰が予測される要因に挙げられています。

そこで、これから各種高齢者施設の増加及び在宅介護、看護の一層増加が予想される高齢化社会で益々、必要性の高まる看護師の業務と相性の良い薬剤師業務が注目されています。

社会に増える高齢者の日常生活に寄り添う専門業務

高齢者になると病気持ちになりやすくなるだけでなく、何種類もの病気を抱えて多くの薬を服用するケースが多くなります。更に高齢者の中に認知症患者が増えてくると言われていて、薬の服用間違いを起こせば体調を急変させてしまうこともあるので家族の負担感が大きくなってくるわけです。

こうした高齢者が多くなると医師や看護師の診察を受けるとともにお薬手帳を作成して服薬管理の必要性が一段と高まるわけです。特に、医師の指示の下で看護師は患者に最も多く接する機会があり、高齢者に寄り添う存在として最も期待されるわけです。

両資格取得に挑戦するキャリアアップの必要な時代

そこで、両資格のライセンスをダブルで持っている人であれば一人の患者の体調変化を一層きめ細かに把握できるので重宝な存在になることが考えられます。もちろん、どちらの資格も取得するのに長い年月と多額の費用が必要です。

しかしながら、近い将来、3人に1人が高齢者で占められる超高齢化社会では両資格のライセンスをダブルで持った人が必要な存在になることは間違いないところです。

個人でキャリアアップを目指して両資格のライセンス取得に挑戦する人も出てきますが、国の制度として挑戦しやすい環境整備が必要でしょう。

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