森下の万能薬剤師の転職リポート

2018年10月28日

コンビニ以上に急増してきたが飽和状態に近い薬局数

年々、高齢者の増加する社会が今後も続いていくと予想されていますが、医療機関にかかる高齢者が自然に増えてくるので医薬品の使用量増加も避けられません。また、ネット社会が益々広がっていますが、運動不足になりやすい中年サラリーパーソンや若者も健康志向の意識が高まっています。

医療機関の出入り口周辺や駅前繁華街に急増した薬局

中年サラリーパーソンや若者の中には朝起きた時の体調が良くなければてっとり早く効果の期待できる健康食品を摂取する人が増えています。更に、体調不良が続くようなら医療機関に出向いて医師の診察を仰ぎ、処方箋に書かれた医薬品に頼る生活をする日々が増えるようです。

このように医薬品や健康食品に頼ろうとする社会の風潮があり、国の医薬分業制度を推進する動きに沿って薬局が病院や診療所の出入り口周辺、あるいは駅前や繁華街に急速に増えています。客の出入りの多い薬局に従業員が数人いても調剤業務等の応対に追われている様子を目にします。

都市、地方に関係なく二極化傾向を見せる薬局経営

薬剤師は若者から高齢者まで多くの人たちの服薬指導や健康相談等に関われる仕事であるだけに薬局での仕事はやりがいの感じられる職務だといえます。医師の処方箋に書かれた薬をもらいに来る客だけでなく、薬局で販売しているその他の医薬品等を買いに来る客も多いですから多忙でもうれしい悲鳴でしょう。

しかしながら、コンビニ以上に店舗が増えたとはいえ、客足の多い薬局は医療機関の門前にあったり、駅前や繁華街にある店舗に限られているようです。このため、都市、地方に関係なく薬局の経営状態は二極化傾向を見せているといわれています。

しかも、薬局数がまだ増加中なので転職希望者にとって雇用市場は売り手市場化したままです。また、仕事の内容が薬局ごとに異なるわけでないのでこの専門職は転職しやすい職種だといわれます。そこで、この雇用市場を見て雇用条件や収入等を比較し、経営の安定した薬局を選んで転職する人が結構います。

M&Aによりチェーン化で規模拡大を図る薬局業界

薬局は人口の少ない地方で個人経営する薬局でない限りある程度の人数の従業員を抱えていないと長時間、店舗を開けて客の対応を続けられません。しかしながら、必要な人数の従業員を雇用しても売り上げが増えていかないと薬局経営が苦しくなってしまうわけです。

現状ではこうした薬局が薬局のチェーン化で規模拡大を図っている会社にM&Aされるケースが増えているわけです。従って、安定した高収入を得ようと転職を考えている薬剤師は飽和状態に達したといわれるコンビニ数より多くなった薬局業界の事情をよく考える必要があります。

長らく売り手市場と化していた薬局の求人市場も飽和状態に近いと言われているし、M&Aされる店舗の増える傾向が出ています。その雇用市場へ今後も国家試験合格者が年々9千人程度加わってくるとこの求人環境が一気に静まってくる可能性があるといわれています。

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