森下の万能薬剤師の転職リポート

2018年05月23日

全員がめでたくゴールできない厳しい世界

薬に関わる業務を行おうとすれば、薬を扱えるための国家資格を取得しなければなりません。しかしその資格は独学で一発試験をやればいいわけではなく、それまでの間に薬科大学で様々な過程をクリアしなければなりません。

最初の条件は薬科大学を卒業することだが

薬剤師として活動できるにはそのための国家試験で合格しなければなりませんが、その前に要求されることとして薬科大学に入学し、すべての過程を合格して卒業できなければなりません。薬科大学を卒業するにはかつては4年制でしたが、現在は6年制へと変化しています。

その6年間の間に数多くの授業項目で単位を取得しなければなりませんが、その一部では4年生あたりでCBTというコンピューターの500問くらいのテストに合格しなければ5年生に進級できません。他では実習研修がありますが、実習に行く前に第3者による適性実技判断が実施され、問題がなければ病院で11週間と保険薬局で11週間以上が要求されます。

毎年合格率は変動するし、かなりの人が落ちてる

これら薬科大学で必要なすべての単位を取得して卒業見込みが得られると、卒業予定者は就職活動をしながら国家試験に臨むことになります。その試験は2月の終わりごろくらいに2日間実施されて合格判明は3月31日に行われます。

なお以前の合格判明は5月ごろとなっていました。けどその試験は毎年毎年全く同じ問題や傾向であるとは限りません。そのために難易度も毎回変化しています。試験では長らくその合格率は約75パーセント前後だったのですが、4年制から6年制に変化しようとした平成21と22年度では平均で56と44パーセントと急落しました。

その後は上下動を繰り返して平成28年度は70.58パーセントとなっています。

卒業できても資格を得られなければ業務ができない

これらのデータは詳細に厚生労働省のホームページで掲載されています。そこでは各大学別での合格率と新卒者と既卒者の合格率まで掲載されています。それらの公表データでは国立大学では9割を超えるところがある一方で、都市部以外の私学だと6割程度にとどまってるところもあります。

さらに新卒と既卒では新卒が全体平均が約85パーセント前後であるに対して、既卒では5割程度などとなっています。このとき気を付けることは薬科大学は卒業できるけど、国家資格を得られなければ薬剤師として労働者ができないことを意味します。

そのため試験に合格できなければ就職活動で内定を得られても破棄されてすべてがご破算になります。

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